地域の皆さまに健康で快適な生活を送っていただくために、幅広い診療サービスを提供しています。
経験豊富な医師とスタッフが、丁寧で温かな対応を心掛け、患者さま一人一人に適切な診断と治療を行います。
脳神経内科;主に神経難病の診断・治療を行います。
薬物療法が非常に有効ですので、早期の診断と治療が重要です。
動きが遅くなったり、手足が震えたり、体が硬くなり、歩行も小刻みになります。
治療をしないで進行すると、体の動きがさらに悪くなり、転倒したり、歩行も困難となります。
このような運動症状だけでなく、便秘、嗅覚障害、睡眠障害、自律神経障害、精神症状などの非運動症状も出現します。
現在根治療法はありませんが、①薬物療法、②リハビリテーション、③デバイス療法、④今後の治療があります。
運動症状は線条体でのドパミンの低下によりますので、ドパミン補充療法が非常に有効です。
早期と進行期では症状が異なりますので、治療方針も異なります。
早期から進行期のすべての病期で有効です。
なるべく体を動かし、無理しない程度に運動する習慣をつけることが重要です。
重度のウエアリングオフや不随意運動のため、薬物療法でコントロールができなくなった時には、脳深部刺激療法(いわゆるDBS)、L-ドパ・カルビドパ経腸用液療法、L-ドパ・カルビドパ水溶液(ヴィアレブ)持続皮下注法があり、患者様によっては非常に有効です。当院では上記デバイス療法(DBSはメドトロニック社)の調整も行っております。
現在さまざまな新らたな治療法が開発されつつあります。
などがあります。
まだ治験中や開発途中ですが、非常に期待できると思われます。
パーキンソン病(PD)と同様に、動作緩慢、筋強剛、歩行障害がみられます。
しかしPDとは異なり、病初期からすくみ足や転倒傾向がみられます。眼球も下方に動かなくなります(徐々に全方向に動かなくなります)。進行しますと嚥下障害(飲み込みが悪くなる)、構音障害(しゃべりにくくなる)がみられます。進行はPDより速いのも特徴です。
また、上記運動症状だけでなく、注意力障害、人格や気分の変化、健忘などの精神症状がみられます。
タウ蛋白という物質が脳内に異常蓄積して、神経細胞を壊します。
脳内のドパミンが減少していますので、L-ドパはある程度期待できますが、一般的にPDほど効果はありません。
嚥下障害が進行すると、誤嚥性肺炎のリスクが高くなり、胃ろう増設も検討することがあります。
早期からのリハビリテーションがある程度有効ですので(バランス、歩行、嚥下に対して)、積極的にリハビリ導入を検討します。
左右差の著しい筋強剛、無動などのパーキンソン症状で発症し、感覚障害や失行(麻痺はないのに決まった動作ができない)などの大脳皮質症状がみられます。PDより進行が早く、L-ドパなどの薬の効果が乏しいのが特徴です。
タウ蛋白という物質が脳内に異常蓄積し、神経細胞を壊します。
一般にL-ドパの効果は乏しいですが、患者さんによってはある程度効果がありますますので、試してみる価値はあります。
身体が徐々に動かなくなるので、廃用性を防ぐために、早期からのリハビリテーションが必要です。
歩行がふらつくようになり(小脳症状)、身体が硬く動けなくなり(パーキンソン症状)、頻尿・排尿困難、起立性低血圧による失神(自律神経障害)がみられる疾患です。PDと脊髄小脳変性症が合併したような症状がみられます。
注意しなくてはいけないことは、声帯外転麻痺がおこり、呼吸ができなくなり突然死することがあります。また、食後や起立時に血圧が下がり、失神することもしばしばみられます。
αシヌクレインというたんぱく質が脳内に異常蓄積して、神経細胞を壊します。
運動症状に対して、L-ドパの効果はあまり期待できませんが、起立性低血圧や排尿障害に対して薬物療法は期待できます。
転倒や血圧変動に気をつけながら、早期からリハビリ(歩行訓練、嚥下訓練)がある程度有効です。
声帯外転麻痺がおこると、息を吸う時にぜーぜーします(吸気時喘鳴)。突然死を防ぐために気管切開が必要です。
小脳や脊髄の神経細胞が徐々に障害され、ふらつき、歩行障害、構音障害、嚥下障害などが出現・進行します。遺伝するタイプと遺伝しないタイプがあります。症状の進行は個人差があります。2,3年で車いすになる方もいれば、10年たっても自力歩行可能な方がいます。
遺伝性は、さまざまな遺伝子の異常によって発症しますが、遺伝しないタイプは原因不明です。
根本治療はありませんが、セレジスト(内服薬)はふらつき改善作用がありますので、試してみることは必要です。またふらつき、嚥下障害、構音障害に対してはリハビリが期待できます。
脳脊髄の運動神経が徐々に障害され、全身の筋肉が萎縮し、筋力が低下する疾患です。進行すると、歩行障害、嚥下障害、呼吸障害が起こります。進行は個人差がありますが、呼吸障害が出現するまでの期間は、筋力低下の出現後1から3年くらいです。眼球の動きや排便・排尿の機能は比較的保たれます。
不明ですが、神経伝達物質の1つであるグルタミン酸の代謝の異常などが考えられております。また、患者さんの5-10%に遺伝子の異常がみられます。
本治療はありませんが、リルゾール(内服薬)が呼吸障害の出現までの期間を延長させる効果があります。またラジカット(点滴と内服)が進行多少遅らせる可能性があり、試してみることは必要です。
嚥下障害が進行したら、胃ろうや点滴で栄養補給することができます。呼吸障害が進行したら、人工呼吸器を使用することができます。
手足が動かなくなると拘縮がおこりますので、早期からのリハビリは重要です。
一般に神経難病は慢性に進行し、患者様は長期療養が必要となります。
少しでも良い状態を保つためにも、在宅療養が重要です。通院が困難になりましたら、
訪問看護、訪問リハビリテーションや訪問診療などの活用が重要です。
これら神経難病は、現在根治療法はまだありませんが、遺伝子治療や再生医療などの研究が進んでおります。
今後さらに良い治療法が出てくる可能性が十分あります。
もっとも重要なことは、希望をもっていただくことです。
更なる治療ができるまで、うまく病気と付き合うことが大切です。